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トラック業界裏話
運賃交渉で着目 荷主の商品値上げ
2023年9月7日
運賃交渉がうまくいかず、苦しんでいる運送会社は多い。そこで着目したいのが、「荷主企業の商品自体が値上げしているか」というポイントだ。
大阪府貝塚市に本社を構え、繊維輸送を展開する運送事業者。値上げ交渉するなかで、「商品の値上げができているところは運賃を上げてもらいやすいが、できていない荷主は上げてくれないケースが多い」と実感しているという。
同社では、値上げに応じてくれない荷主との取引は停止、もしくは取扱高を減らす方針。「現状の運賃は、標準的運賃の同等もしくは積み合わせで若干上回る状態」だという。
同東大阪市に本社を構え、雑貨輸送を展開する運送事業者は、自社便での長距離輸送から手を引いた。さらに、昨年から運賃の値上げ交渉を開始。その結果、「6―7割の荷主企業は値上げを了承してくれた」という。
しかし、「商品の値上げができないので、運賃を上げることはできないという荷主もいる。こちらが赤字を出して運行しても、ドライバーの賃金が上がるわけでもなく、最終的には良い人材を放出してしまう結果になり、会社経営に響く。こうした荷主とは安定的な取引を行うことはできない」と嘆く。
荷主の商品が値上げされているかどうかを確認することも、運賃交渉では重要なようだ。
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