来年４月から時間外労働が年間９６０時間に制限される。それに先行し、今年４月からは時間外労働の６０時間を超えた分の割増賃金が１.５倍になった。これまでのように安易に「みなし残業代」で支払っていると、トラブルに見舞われるケースも少なくない。 雑貨輸送を展開する大阪府岸和田市の運送事業者。「勤め始めて数か月後に残業代などの未払い賃金の請求を繰り返す女性ドライバーがいるという噂を聞いたが、実は、今日、面接に来る予定の女性が、話で聞いた女性ドライバーといろいろ似ており、警戒している」と打ち明ける。 「複数の運送会社が数十万円程度を請求されたらしい。労務トラブルは絶対に避けたい」という同社長は、「まだ面接していないのでなんとも言えないが、構えてしまうというのが正直なところ。特別に優れた人でなければ採用は避けたい」と胸の内を明かす。 慢性的なドライバー不足で各社とも喉から手が出るほどドライバーを求めている状況だが、労務トラブルを引き起こす人材は採用したくないというのも本音のようだ。