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配車女子 とら子の「一配一会」
働き方改革とは埋める作業、という話。
2019年7月3日
先日、運送業とそれ以外の方の「当たり前」の違いをTwitterで呟いたところ、思わぬ反響がありました。
皆もそう思ってくれていたのか、よかった。
と思う反面、
これからどうやってこの「当たり前」の高低差を埋めていけばいいのか、
という不安もにょきにょきと現れてきたのも事実です。
内容で言うとこんな感じ。こういうところの理解を深めていただけると運送業はもっと働きやすい現場になるのではないか、と思うのです。ええ。
何が言いたいかと言うと。
運送業の働き方改革は運送業だけではクロージングできませんよ。
ってこと。
そもそも働き方改革って何?って話なのでそこをおさらいしておきましょう。
働き方改革とは
長時間労働と労働人口の減少、正規と非正規の格差の解消を目的に出来上がった国を挙げての少ない人数で生産性を高める労働力の効率化と非正規の待遇改善です。国を挙げて短い時間で働いて生産性もGDPも上げろな、っていう完全なるガキ大将案件なのですが、別に私は反対ではありません。
何故なら今まで残業ダラダラやって残業代で小銭を稼いでいた人たち(これは内勤者に多い)はもうそんなズルはできないし、時間内にいかに売上を上げられるかを考えることでもっと成長できると思っているからです。ですが、これは9時から17時まで机に向かって仕事をし、17時半以降は残業ですよ。と明確な時間仕事をしている人にだけ当てはまると思っています。
もしくは労働時間が自分主体(自分の意思で決められる)の方のみ。
つまり定時というしっかりした規則がない長距離や中距離のトラックドライバーには当てはまらないわけです。彼らの労働時間は
・渋滞
・自主荷役(棚入れ、検品)
・待機
・待機
・待機(ん?)
・待機(は?)
・待機(あああん?)で大幅に変わります。
自分の意思ではないところで労働時間がどんどん伸ばされるからです。そんな仕事をしている人たちに9時から17時まで事務所で座っている人たちと同じ法律を当てはめるなんて子どもでも
「いや、あかんやん。無理やん。バカやん」
ってわかる話です。ペットボトルがジャムの蓋で閉まりますか?
ガラケーの充電器でスマホが充電できますか?
と同じレベルの問いかけなんですよね。でも、それを嘆いてるばかりじゃ能がない。
ほんならどうします?ってなった時に、労働時間を長くしてる原因を1つずつ解決するしかないわけで、冒頭の運送業以外の「当たり前」の高低差を埋めるのがその方法のひとつかなぁと思うのです。運送業が全社佐川やヤマトと同じ。
と思っている方はまだまだごまんといます。
っていうか世の中の大多数がそうだと思っていたほうがよさそうです。荷物は玄関まで運んでくれるのが当たり前。
じゃないということを知らない人が企業の偉い人だったりしたら悲劇。
100個口以上の大口納品をドライバーが1から100まで玄関まで持っていくなんて労働時間が大幅に伸びます。
休憩すらできません。つまり、我々運送業の中でもドライバーさんという職種の労働時間は
自分の意思とは全く関係のない他者の意思とコントロールによって支配されていて、その他者の意識が変わらなければ労働時間の大幅な削減は中々難しいのではないかと思っています。だからドライバー以外の我々内勤者が「お客様に交渉」し「理解」してもらう作業をやり続けないといけない。
その作業ってすっごいうっとうしがられるし嫌われる。
何回も何回も何回も同じこと言わなきゃいけない。
もしかしたら「こんなうるさい業者もう切ったろ」って思われるかもしれない。
だけど、私は今種を撒かなきゃ花は咲かないと思っています。まさにこの今!っていうタイミングで動くか動かないか。
言うか言わないか。そして出来る限り交渉相手を不快にさせないようなスキルも磨く必要がある。
だから今すっごい勉強できる時です。
超学べる!こんな機会中々ない!ってくらい学べているので私はとても得した気分です。「この一歩は小さいが人類にとっては偉大な1歩だ」
とアメリカの月面調査隊のアームストロング船長が月面に到着した時に言った名言がありますが、私もアームストロング船長と同じような気持ちで日々仕事をしています。
小さな一歩は大きな一歩になると思っています。
そしてその一歩を踏み出す人が増えれば増えただけ、大きな一歩の前進がとても大きいとも思います。やり続けることも才能だと高校時代の担任に言われたことがあります。
熾烈な受験戦争を乗り切るには「やり続ける」しかない。
やればやっただけの結果が出る。と言われました。だから私は高校時代の恩師の言葉を胸に日々「やり続けていく」作業をしています。それが運送業の働き方改革の一つだと信じているから。
諦めたらそこで試合終了だから。(あ、私ミッチーが好きです←聞いてない)ということで今日も日々お客様に伝え続けています。
「お前いい加減にせえよ」というお客様は今のところいません。
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プロフィール
とら子
トラック運転できないAT限定免許配車マン。
トラックは街の風景だと思って過ごしてきた学生時代。 けど今はドライバーさんのおかげでご飯食べれています。
配車はドライバーさんと荷主の緩衝材。 目の前の利益より損して得取れ精神で配車係やらせてもらってます。 -
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