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    今更聞けない2024年問題。本当の問題とは?~その1~

     

    2024年3月11日 仕事

     
    • 緑 幾何学 太字 目立つ ビジネス YouTube サムネイル 

    【運送業と2024年問題 その① 荷物が運べなくなるかもしれない問題】

     

     

    去年から騒がれている2024年問題。

    もうすぐで2024年4月1日。

    何がどうなってるのか運送業の中の人が説明するのが一番わかるだろうと思ったのでまとめます。

    できるだけシンプルにしたかったけど難しかったので整理しながら書きます。

     

     

    2024年問題で心配されているであろうことは

    荷物が届かなくなる(かもしれない)

    運賃がべらぼうに上がる(かもしれない)

    運賃が上がるから物価が上がる(かもしれない)

    の3つだと思います。

     

     

    では1つずつ見ていきましょう。

     

     

    荷物が届かなくなる(かもしれない)

     

    これはドライバーが不足するから運び手がいなくなって今までと同じもしくは将来的に増えうるであろう物量を捌けなくなるんじゃないか、という不安からくる問題提起。

     

    では、そもそもドライバーが不足するから運び手がいなくなる原因は何か。

    まず覚えてて欲しいのが、ドライバーの給与体系に「歩合制」が多様されていること。

    この歩合制というのは「走れば走るだけ稼げる」というもの。

    だからトラックドライバーは走れるのであれば走りたい人たちが多い。

    仕事させて欲しい!と思う人たちが実はものすごくたくさんいます。

     

    じゃどうしてドライバー不足になるの?ということだけど、その理由が2024年4月1日からの改正労働基準法の適用。

    この適用で今まで猶予されていたトラックドライバーの年間残業時間が960時間を上限とされてしまう。

    つまり月間で80時間以内、25日稼働だと1日平均3時間ほど。

     

    長距離ドライバーの場合、

    朝・・・前日積んできた荷物を下ろす

    昼・・・近くの荷物を積んで下ろす(地場仕事ですね)or翌日の荷物を積む

    夕・・・翌日の荷物を積む

    夜・・・目的地に向かって走る

     

    というスケジュールが多いです。

    1日あたり3時間の残業に抑えてねとなると、このスケジュールはルールを守れなくなる可能性が非常に高い、とされています。

     

    ドライバーの給料は荷物を積んで卸したら発生するが基本。

    1運行でも多く走ることによって給料に反映させたいと思うのが人の常。

    長距離ドライバーの場合は「混載」と言って2tや4t分の荷物を2~3件の別の出荷元から積んだりして歩合を稼げる人もいます。

     

    こう見ると

    朝からスムーズに積んで卸してできれば時間内に収まるんじゃね?と思われる方もいると思います。

    ですが、ここからが2024年問題の難しいところです。

     

    2024年問題が複雑化する問題

    そう、お客様はドライバーや運送会社の都合のいいように出荷してくれるわけではない、のです。

     

    出荷先によっては

    ・荷物ができるまで「待つのも仕事でしょう」が当たり前

    ・ドライバーがリフト乗るのが当たり前

    ・ドライバーが棚から荷物を台車に載せてトラックまで持ってくるのが当たり前

    だったり、

     

     

    納品先でも

    ・納品準備ができるまで「待つのも仕事でしょう」が当たり前

    ・ドライバーが荷卸ししながら検品するのが当たり前

    ・ドライバーが商品を棚までもっていって棚入れするのが当たり前

    という「当たり前」によってドライバーの拘束時間が運転以外で費やされているのです。

     

     

    この「当たり前」は「自主荷役作業」や「待機」と呼ばれ、本来は対価が発生することです。しかし、この対価を長年【サービス】としてやってきた運送業は今更お金くださいって言えない。

    言えるような会社も出てきてはいますが大多数がまだ言えていない、が現状です。

     

     

    つまり、ドライバーは運転以外の待機や自主荷役と言った「運転とは別の仕事」によって拘束時間を削られてしまい、2024年4月1日からは今までどおり時間を気にせず走ることができなくなります。

     

    ですが、法律を守らなければ会社は罰則を受けなければなりません。

     

    法律を守る>お客様との今までの取引形態を守る

    という方程式になりますので、今まで通りでしか荷物を出荷、納品はできないよ、というお客様に関しては取引撤退という選択肢が生まれます。

     

    荷物が運べなくなる、というのはこのような背景があるのです。

     

    同じ運送会社でもお客様になる

     

    お客様、という定義は何もメーカーや製造業だけではありません。

    我々中小の運送会社にとって、お家に届く宅配便を扱う大手運送会社(ヤマト・佐川・日本郵便)もお客様にあたります。

    宅配便として荷物を届くまで、荷物は大手運送会社のセンターとセンターを行き来する「路線便」荷物になります。

    長距離ドライバーは「路線便」を運ぶことも多いです。

    必ずしも大手運送会社が自分たちのトラックで運ぶわけではありません。

     

    彼らの荷物は下請け(協力先)の運送会社が運ぶことがほとんどです。

    今と同じ条件であればお取引が難しい、なんとか改善してくださいとお願いした部分を改善してもらえないのであればお客様である大手運送会社の荷物は運べませんとなります。

     

    つまり、ここがよくネットで言われる「荷物が運べなくなる」の心配の根源かと思います。

     

    1つの問題から見える3つの問題

    荷物が運べなくなる、のではなく、荷物を運ぶための積みやおろしの「働く現場」の環境改善が進んでいない、ということです。

     

     

    ネットのニュースだと宅配便が届かなくなる、ということだけにフォーカスが当たりますが何事にも背景があります。

    この背景を解決しようとせずに「今まで通り荷物を運べるようにしよう!」とするからひずみが生まれる。

    これが2024年問題で「荷物が運べなくなる(かもしれない)」と呼ばれる問題です。

     

    ドライバーが不足しているから運べない、という問題が1つ。

    お客様が本来しなければいけない仕事をドライバーがしている、という問題が1つ。

    どれも問題ではありますが、「働く現場」の基本的な環境改善が進んでいないという問題をなおざりにしている、という大問題が1つ。

     

     

    これが1つの問題から見えてくる問題です。

    1つ1つ分けてみると解決方法が見えてくるんじゃないかなと思って私自身のためにもまとめてみました。

    全体を見るからどこから手を付けていいのかわからなくなる。

    だからできることを見つけるために問題を分けてみました。

    私は配車(営業)だからお客様に交渉することができる。だから自主荷役をお客様にしてもらうように交渉することができる。

    中々前には進みませんがやり続けていくしか解決はないのでがんばります。

     

    ②と③は長くなりすぎたので後日にします。

    ごめんちゃい。

     

     
     
     
     
     

    コメント

    匿名 より:

    4月に未経験のコンテナ輸送業に
    転職予定です。
    参考になりました。
    港湾は船会社、乙仲、ターミナルは制覇済みです。
    通関士免許も取ります。
    ありがとうございました。

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