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配車女子 とら子の「一配一会」
とら子的運賃交渉~ハード面~
2018年11月10日
11月になりましたー!
10月もほんとに忙しかったですね。ドライバーさん、配車係の皆さま、本当にお疲れ様です。
11月に入ってちょっと時間ができたので先日原価計算セミナーに行ってきました。弊社は今まで原価計算をしてきませんでした。(え)
うん、正直に言います。
原価計算をせず、とある責任者の口頭説明「大丈夫です!黒字です!」に信頼し過ぎた、運送会社の風上にも置けない会社でした。けど、今年の7月以降、これじゃいかん。
どけんかせんといかん。と思い立ち、原価計算を始めました。
何故なら、運賃交渉が必要だと思ったからです。人材が不足し続けているけど、来年からは有給消化が必須になり、5年後には働き方改革が運送業にも適応され、残業時間が制限されてくる。
そのためにはまず必要な原資を獲得する必要があると考えたからです。原価計算をするにあたっては、特別なシステムとかプログラムってのは全然必要なくて、トラック協会から無料でもらえるフォーマットがあるのでそこから拝借いたしました。
原価計算って聞くだけで「もう~~めんどくせぇ!」って思うんです。
私がそうだったのでw
けど、実際やってみると本当にいろんなことがわかるし、面倒なのは最初だけであとは決められたとこを入力するだけですぐに計算してくれるのでやってみる価値はあります。弊社は原価計算をしてみて、今まで担当者が「黒字だ」と言っていた業務が思いっきり赤字であることが発覚。笑
その他業務についても、社員全員で問題点を共有し赤字を黒字にするためにどうしたらいいかの全体会議を開くこともできました。そして、何より運賃交渉がとてもスムーズに行えるようになりました。
今回、定期案件・スポットチャーター案件ともに値上げ交渉に成功しています。
正直、私はこの運賃交渉の準備・最中は自社の事しか考えていませんでした。
自社さえよければいい。
私だけ勝てばいい。
ほんとにこんなことを思っていました。(腹黒)けど、先日参加した原価計算の研修で目が覚めました。
私の夢は運送業全体の労働環境を良くすることだった、と。
自社さえよければいいとか私さえ勝っていればいいっていう目先の利益も大切かもしれないけど、もっともっとたくさんの運送会社さんがよくなれば業界全体がよくなっていくので、私が行ってきた運賃交渉をブログでUPしていこうと思います。時に失敗し、時に喧嘩し、時にお客様を怒らせた私なので皆さまにとって有益な情報ではないかもしれませんが、少しでも業界がよくなる手伝いができれば幸いです。
まず、大前提ですが、
原価計算を行い、損益を明確化する!
運賃交渉は必ずお客様先へ訪問し、顔を見て交渉すること!
これはもう当たり前田のクラッカーなんですけど、原価計算せず感覚だけで交渉を電話で済ませるとかマジで在り得んので必ず客先へ明確な数字を持って訪問してください。
忘れがちですが、お客様は荷主です。
製造メーカー、食品メーカー、大手路線会社様々ありますが、我々のような中小企業の運送会社とは組織の中身が違います。
相手はサラリーマンなんです。私たちもそうですが、相手さんの文化が私たちの文化とイコールではないのです。
運送業内では通用することを他でも通用すると思わないでください。そして、
運賃交渉は必ず書面を用いて行うこと!
これも当たり前すぎなんですが、口頭で「運賃上げてくださいよおお」って言って運賃上がると思ってる人はもはやいないと思うので言いませんが、交渉事はすべて書面化する。
これは私もやっています。
これが実際、お客様へ提出した書面とメールの内容です。口頭でどんだけ伝えても、相手は会社です。
担当者が「ええよ、上げるわw」って言ったところで上がることはないと思ってた方がいいです。
決裁権のある責任者、経営者の方へ稟議を通してようやく承認が下りるので、こちらもしっかり書面で準備をしておくべきと思います。それと、ここ大切なんでメモってください!笑
私大失敗したんで、メモってくださいwwwwwww軽油の価格高騰を運賃交渉の目玉にしない!!!
さっきのメールの文面でも書いちゃっててもう「このおバカさん。こらw」って感じなんですが、軽油の価格高騰は運賃交渉の目玉にしちゃいけません。
だって、また下がる分野だから。
だから私はこの方法はまずかったな、と反省しています。じゃ、何を目玉にすべきか。ですが、ここは間違いなく
【5年後を見据えた働き方改革への労使問題】(長期的目線)
もしくは
【2019年10月1日からの増税前への対応】(短期的目線)
が目玉になると思います。私はお客様によって両方使っています。
スポットチャーターの場合は短期的目線でも十分交渉が可能かと思いますが、定期案件の場合は長期的目線で交渉をしていくといいと思います。5年後と言わず、今後会社は有給を取得するよう、休みを取っていないドライバーさんや従業員に促さないといけなくなります。
つまり会社は従業員を休ませないといけないのです。
有給消化なのでその分お給料は発生します。それって誰が負担するの?会社?社長?誰??
ってここは図らずしもお客様からいただいた原資で賄うのです。私たちはこの長期的目線の方法を使って定期案件の値上げをお願いしています。
そして現行運賃の約10%の値上げ交渉に成功しました。
スポットチャーターの案件は交渉開始から、15%UPに成功しています。ドライバーさんには有給ももちろん取得していただき、賃金保証も行う。
社長を始め、みんなで考えて動いています。
そして、そのためにはやっぱり原価計算は必要です。
運送業は時間切り売りの商売です。
空車時間もコストがかかっていますので、どこのコストを出してもいいように1時間いくら、という計算が必要になります。
そのためには原価を出し、自社のコストが一体いくらかかっているのかを正確に明確に算出して数字を出すことが運賃交渉を始めるスタートラインかと思います。ちょっと長くなっちゃったので続きはまた次回にしますね。
一緒に楽しみながら、時には踏ん張りながら運送業をよくしていきましょう!!新着投稿
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プロフィール
とら子
トラック運転できないAT限定免許配車マン。
トラックは街の風景だと思って過ごしてきた学生時代。 けど今はドライバーさんのおかげでご飯食べれています。
配車はドライバーさんと荷主の緩衝材。 目の前の利益より損して得取れ精神で配車係やらせてもらってます。 -
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