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橋本愛喜にも言わせて
【第1回】初めましてのご挨拶
2024年4月30日
読者各位、どうも初めまして。
こちら「ぶるる」さんで連載をすることになりました、
ライターの橋本愛喜です。4月からの連載というお話でいただいた本シリーズ。
改変期や予算組みの時期なので4月は忙しさが一旦落ち着くと思いきや、
確定申告の時期と被った&思った以上に仕事の波が減らず、
4月もギリギリ、滑り込みセーフであります(セーフなのか?w)さて、すでにTwitterやネットニュースなどでは私のことを
「ああ、あのいつも怒ってる人な」
と知ってくださっている方もいるかと思います(´-ω-`)
ここでもしっかり怒りつつ、
もう少し素に近い普段の橋本の感覚でお話できたらと思うのですが、
今回は初回なので、挨拶や自己紹介、
そしてそれぞれの対策に対する見解を簡単に説明できればと思います。改めて、橋本愛喜と言います。
「あいき」です。よく「あき」やら「愛美」と間違えられます。
顔を出す前は男性によく間違えられていました
(ブルーカラー書いている&最後が「喜」やからやと思う)。年齢や婚歴、学歴なんかは今のところ非公表です。
これよく
「なんで非公表なんですか」
という質問いただくんですが、
特段大きな理由はない(笑)ただ、今のところ公開する必要性を感じないのと、
「情報は一度出すと回収できない」
というのが情報屋をしているからこそ感覚で。書いた記事や出演する番組、講演内容
(と、SNSのツイート)などだけで評価してくだされば
それでいいと思っています。そうそう。
余談ですが、講演会で「年齢は非公表です」
と伝えた後のある懇親会で、向かいに座った方から「俺ね、橋本さん年齢同じくらいだと思うんだよ」
と話を切り出されたことがあります。
その瞬間、これまでの経験からなーんか嫌な予感がしたので
「ああそうなんですね」で話を終わらせようとしたのですが、
その人はこう続けるわけです。「俺ね、53歳」
場所が場所なら
「おーおーどんな目しとんじゃ眼医者行ってレーシック30回くらい受けてこい」
と立ち上がって詰めていたところ、
一応「講師」で呼ばれていた手前、グッとこらえ、
「目が相当お悪いんですね」
で留めたことがあります。「非公表」、つってるのに
自分の年齢利用して大見当違いカマしては、
大勢の人前で大声でぶっ放す。そういうとこや運送業界。みんな気を付けような(´-ω-`)
話を戻します(毎度こうやって頻繁に脱線します)。
執筆分野は、「社会」です。
よく「物流ジャーナリスト」と他称されますが、
私は社会系のライターで、
特に物流を専門に書いているわけではありません(とはいえ、「物流ジャーナリスト」と呼ばれても否定もしません。
書き手はライターでもジャーナリストも
資格がないとできないわけではないので、
他人がそう見えるならそれでいいと思っている)。ただ、「差別」や「マイノリティ」
「倫理」「労働問題」に明るい(=知識がある)ことから、
ドライバーやブルーカラーの人たち、
さらには「末端で理不尽を被り疲弊している人たち」を、
これら社会的な方向性から書くことが多いです。それでも運送業界やブルーカラーについて書くことが多いのは、
タイミング的に「2024年問題」が起きたというのもあります。が、どちらかというと、
やはり労働環境が過酷なこと、また、多くの有識者やメディアが「現場感」を知らないこと、
そして、逆に現場にいる人たちに
「メディア感」や「ホワイトカラーの苦労」を知らない人たちが多く、
どちらも経験がある身からすると
もどかしいと感じることがあるからです。また話が脱線しますが、
だからといって
「有識者が無能であるわけではない」
ことは強調しておきたいです。私自身も
「現場を知らない人が現場のルールを作っているのはおかしい」
とずっと言い続けているんですが、
だからといって彼らが「無能」だとは全く思っていません。意図的か無意識か「ズレてる」だけで、
彼らの能力は現場と同じく高い。彼らの客観的な分析は業界発展には必要。
現場感のない彼らのベクトルの向きを変える必要があるということです。話をもっかい本線に戻します。
私のスタンスは徹底的な「超ド現場主義」です。
よく「国の政策ばかり文句言うな」という人がいますが、
権力論でいうと
最も立場の弱い人の目線で書くことが多いので、そうなります。モノは見方で、その一方、
官僚本人ひとりひとりは非常に立場が弱い。政治家たちからこき使われ、
どの業種よりも過酷な労働環境でもある。現場目線で言えば、彼らのことも非常に心配しており、
取材対象としてみています。自分の執筆分野がなぜブルーや働き方で、
なぜ現場目線なのかというと、
元々私もブルーカラー出身だからです。生まれた時から父が工場労働者。
取引先や元請から様々な下請けいじめを受け続け、
ブルーカラーの社会的地位の低さを
これでもかというほど受けてきました。理不尽があっても、
大口の取引先である以上何も言えない。
我慢我慢の世界でした。私は父の後を継いだわけですが、
肩書は父が社長のままだったので、
いわば「サンドイッチの具」。上からも下からも不満や用事が集まります。
現場には35人の職人がいましたが、
ブルーカラーにはいい意味でも悪い意味でも我が強い人が多い。特に社会の「し」の字も分からない社長の娘が、
「これやってください」と言っても、
「オマエに何が分かる」「オマエがやれ」となる。ただ、彼らは私が“あの”社長の娘であることを忘れていたようで、
誰よりも堅物で我の強い父の遺伝子フルマックスで、
私は彼らのやる職人業、
さらには彼らができないことをやろうと思って始めたのが、
トラックに乗ることでした。よく、この活動をしていると
「親の会社で“家事手伝い”くらいしかやったことのないようなヤツにドライバーの何が分かる」
という人がいます。私は、こういう声をすでに現場で10年聞いてきたので、
そんな声がいまだに来るたびに
「出直してこい」と思っています。私が今、誰に何を批判されてもペンを止めないのは、
「怖いものがない」からです。あの工場時代を乗り越えた。
今後何があっても怖いものがない。筆舌に尽くしがたい、壮絶な時期でした。
一方、その頃の経験から
「現場の労働者を守らなければならない」
という思いが強くなります。家族経営。
社長の父の病気で会社が揺れている中、
従業員はさぞ辛かったと思います。その懺悔と感謝の思いが、今の私の原動力でもある。
なので、毎度とことん現場主義で書いている次第です。
今回は長々と自己紹介を書き連ねましたが、
私のことを多少はご理解いただけたでしょうか(´-ω-`)働き方改革が施行され、
運送業界が大きく動いている最中。先日「2024年問題について会社から何らかの説明があったか」
という質問をSNSの簡易アンケートで聞いたところ、なんと7割近くが
「説明がなかった」
とのこと。国はもちろんですが、現場自身も変わる必要がある。
主役は「トラックドライバー」であることを忘れず、これからも頑張ってください。
大旗振って全力で応援しておりますv
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プロフィール
橋本愛喜
フリーライター。
元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許を取得後、トラックで二百社以上のモノづくりの現場を訪問。
ブルーカラーの労働問題、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆中。
各メディア出演や全国での講演活動も行う。 -
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