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    新明和工業が「eキャンター」用のバッテリー駆動パッカー車を開発

    2022年4月29日 新車発表会

     
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    4月14日、厚木市が市の環境センター運用のごみ収集車に三菱ふそうトラック・バス(MFTB)「eキャンター」を導入した。パッカー車の架装は新明和工業が行った。 ●自治体に広がるゼロエミッション車需要 厚木市は2050年カーボンニュートラル実現のため「循環型都市」「ゼロエミッションシティ」を目指して環境対策に取り組んでいる。eキャンターの導入はその一環である。この実証実験では、まずは1台のEVごみ収集車を運用し課題や効果を洗い出す。計画ではあと2台のeキャンターを導入する予定でいる。市では、さらに7台前後の公用車、消防の指令車(いずれも乗用車タイプ)にEVを導入する計画もあるという。   EVごみ収集車は、走行音、回転式ゲートの稼働音が静かなので住宅地での運用に適している。夜間や早朝の稼働にも可能性が広がる。充電問題も、ルートがほぼ固定されているごみ回収車なら、夜間の車庫待機の時間が有効に使える。   カーボンニュートラルや脱炭素の動きは、自治体やグローバル企業にさまざまな行動変容を促している。公用車をゼロエミッション車にして環境対策をアピールしたり、災害時の非常電源等に役立てる取り組みは各所で始まっている。物流業界も、ラストマイル輸送の低騒音、ゼロエミッションへの対応が迫られている。欧州では街中の大型車やZEV(ゼロエミッション車)以外の乗り入れ禁止とするエリアも増えている。企業単位でLCAでの脱炭素、カーボンニュートラルが求められているので、サプライチェーン全体でのゼロエミッションなど環境対策を実施する必要がある。 ●電動化に取り組む架装ビルダー 商用車のようなヘビーデューティーな用途には、EVでは課題が多いのも事実だが、世界のZEV化圧力はそうも言っていられない状況だ。物流業界がEVはまだ無理と思っていても、業界や取引先がZEV車でないと輸送を頼めないとなったら、要求に応えざるを得ない。 こういった状況で影響を受けるのは自動車メーカーだけではない。架装事業者やビルダーもEVでは無理だからと言っていられなくなる。架装業者の老舗でトップベンダーのひとつだえる新明和工業も、カーボンニュートラルへの対応を考えている。同社は2010年ころから、ディーゼルトラックを架装技術でEVにコンバートする研究を行っている。だが、コンバートEVにさらにパワーゲートやパッカーやクレーンなど動力系の架装となると、やはり限界があるという。   厚木市の取り組みでは、MFTBのeキャンターのパッカー架装を行うことで、新たな知見を得たようだ。同社執行役員・特装車事業部 営業本部長 石原秀朝氏は、eキャンターごみ収集車の納車セレモニーの挨拶では「カーボンニュートラルへのとりくみの第一歩として大きな足掛かりになった」とコメントしている。MFTBに続いていすゞも小型のEVトラックの市場投入を考えているとされる。新明和工業としても、EVトラックにも変わらない架装技術を展開していくことになるだろう。 ●ダンプ・リフターなどの電動化に期待 苦労した点は、パッカーの回転ゲートやダンプを動かす油圧ポンプがをモーター駆動にするための機構づくりだったそうだ。エンジン車ベースのパッカーは、トランスミッションから引き出したシャフト(回転運動)でポンプを回す。動力源はエンジンをそのまま使えるが、EVはバッテリーは積んでいるが、ポンプ用のモーターが必要になる。今回のeキャンターでは、キャブ後方、パッカー部分の間に制御ユニットが収められている。   架装には苦労したようだが、電気モーターそのもののエネルギー効率が高いので、油圧ポンプ用モーターの追加は走行用バッテリーの大きな負荷にはならないようだ。総重量(GVW)で7.5トンとなるeキャンターの航続距離の目安は100km(平台トラック)だ。MFTBによると電動パッカーを搭載したeキャンターは90~95kmくらいだという。     充電はチャデモ規格による急速充電とAC200Vの普通充電に対応する。厚木市環境センターはAC200V 6kWの普通充電器(ケーブル)で夜間の待機時に充電する運用だ。必要な電力はごみ焼却場が発電する電力でまかなうので電気代はかからないという。バッテリーが空の状態からおよそ11時間で満充電となるが、通常の運用で空になることは少ないので、通常は翌朝からほぼ満充電で出庫できるようだ。MFTBが国内に展開している100台以上のeキャンターも9割方普通充電の運用で済ませているそうだ。   新明和工業では、eキャンターでの事例で油圧ポンプ系の架装技術の目途がたったことになる。ローダーダンプ、テールリフター、散水車などへの応用発展を期待したい。
     
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